不動産の売買といえば、不動産会社が仲介に入るのが一般的ですが、
親子間、親族間、知人や友人などあらかじめ取引相手が決まっている不動産売買で考えられるのが、
個人間でする売買です。
不動産会社が仲介に入らなければ、
仲介手数料など発生しませんので大幅なコストカットも可能ですが、
そんなことは可能なのでしょうか?
結論:可能です
不動産業者は、宅地や建物の売買・交換・賃貸の代理や媒介を業として行う場合には、
国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けなければなりません。
不動産取引を「業とする(=反復継続して何度も行うこと)」場合は免許が必要ですが、裏を返せば、
個人が自分の自宅を売却したり、相手の自宅を購入したりすることを制限するものではありません。
ですので、不動産会社の仲介を入れずに個人間で売買するのに免許などは必要なく、
また違法でもありません。
個人間売買のメリット
✅仲介手数料が不要
宅地建物取引業法で定められた仲介手数料は、「(売買価格×3%+6万円)+消費税」となります。
仮に2,000万円の取引なら、
(2,000万円×3%+6万円)+消費税=726,000円になります。
この金額を節約できるのは、唯一にして最大のメリットといえます。
個人間売買のデメリット
✅住宅ローンが組めない
住宅ローンを組む場合、「重要事項説明書」の提出を求められます。
「重要事項説明書」に関しては、宅地建物取引士の名において作成されていないものは、
正式書類と認められない可能性が高いです。
✅トラブルリスク
不動産の引き渡し後に隠れた瑕疵(欠陥)が発覚した際の「責任」の問題や、
契約や税金・費用の支払い、その他様々な場面でミスを犯す恐れがあり、
後々まで怨恨を残しかねません。
まとめ
個人間で不動産を取引するのに資格も免許もいりませんが、
仲介手数料が発生しないというメリットと様々なトラブルが発生しうるリスクを天秤にかければ、
不動産売買は不動産会社の仲介で行う方が良策だと考えます。
現状、不動産の個人間売買が広まっていないのは、
メリットよりリスク回避を優先したいと考える方の方が断然多いのだと思います。

国本
桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。
三井のリハウス、大東建託(株)退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に
不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。
両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。
好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。
嫌いなものは、ゴキ。