No.162 「公簿売買」と「実測売買」の違いと注意点


土地の登記記録には土地の面積が記載されていますが、実際の面積と異なるためにトラブルへと発展することがあります。トラブルを防止するためには、売買対象面積を「公簿面積」とするのか「実測面積」とするのかを明確にしておく必要があります。

公簿売買とは

公簿売買とは、土地を実際に測量した結果が登記記録上の面積と異なっていても、売買価格を変更しない、という売り方です。土地の測量をするためには費用や時間がかかるため、公簿売買では実測自体を行わないことも多く、実際には多くの取引が公簿売買によって行われています。

実測売買とは

売買契約時に、登記記録の面積で一旦売買価格を決めておき、後日実測面積で計算した売買価格との差額を精算する売り方です。実際に土地の大きさを測量して価格に反映させるため、トラブルが生じにくい契約方法です。

 

後日実測による精算を行う場合には、平米あたりまたは坪あたりいくら、という計算で精算を行います。また、測量費用は売主・買主のどちらが負担するかについても当事者間で決めておきます。

 

実測を行う際、境界を確定させるために隣地所有者や自治体の担当者の協力・立会いが必要となる場合がありますので、境界確定までに長い時間がかかってしまうことが難点です。

トラブルが生じやすいのは公簿売買

公簿売買は、契約内容となっている土地の面積が実測により違った場合でも、当事者は「文句を言わない」という約束です。実測面積が公簿面積と違うということは、どちらかが損をし、どちらかが得をすることになりますが、お互いに承知の上ですから、文句を言うのはルール違反です。

 

それにもかかわらずトラブルになってしまうのは、契約当事者が公簿売買の意味やリスクを十分に理解していないことや、実測によって判明した面積の誤差が、当事者の予想をはるかに超えるようなケースが考えられます。公簿売買と実測売買では、公簿売買の方が大きなトラブルに発展しやすいです。

さいごに

公簿売買でのトラブルを回避するために大切なことは、当事者が公簿売買の意味を正確に理解することです。具体的には、「実測精算をしない」「登記記録上の面積と実測面積に大きな差が生じる可能性がある」ことなどを確認し理解したうえで契約を締結することです。

 

不動産業者が仲介する場合に実施する重要事項説明では、公簿売買なのか実測売買なのかを明記したうえで説明します。公簿売買の意味についてきちんと理解できるまで説明すれば、大きなトラブルが生じる可能性はほとんどなくなると思います。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。

両手仲介を行わない不動産売却専門エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。