
不動産では「借地」と「底地」という二種類の呼び方で取引が行われることがあります。借地とは、建物所有を目的として地主より借りている宅地のことで、底地とは、建物所有を目的として他人に貸している宅地のことです。借地と底地の違いについて説明します。
借地と底地
借地とは、「借地権つきの建物が建っている土地」のことを言います。わかりやすく言えば、文字通り他人から借りている土地のことです。土地を借りた人は、そこに建物を建てるなどして利用できます。
底地とは「賃借権がついている土地」のことを言います。賃貸借契約を結んで他人に貸し出している土地のことです。
つまり、底地とは、借地人さんの建物が建っている地主さんの土地であり、借地とは、建物を建てるために地主さんから借りた土地です。
ちなみに、土地に建物を建てず、土地のみを利用する目的で借りている場合は、単に「貸地」といい、借地権は存在しません。
底地を売却する方法
✅借地人に買い取ってもらう
この場合、借地人に対して立ち退きなどを要求することなく売却を行えるため、トラブルを回避しやすくなります。ただし、借地人からすれば、土地価格に比べて地代が低額であり、固定資産税や都市計画税などの負担がない借地の状態のまま、土地を使用したいと考える人も少なくありません。
✅地主が借地人から借地権を買い取り、その後売却する
これは逆に、地主の方が借地人から借地権を買い取り、きれいな所有権にして土地を売却する方法です。この場合、借地人の移転先確保や立退料を支払うなどの対策を取る必要が出てきます。
✅買取専門業者に買い取ってもらう
底地の買取を請け負っている専門業者に売却をするのも1つの手です。この方法だと、売却に手間がかからない代わりに、価格が低く抑えられるというデメリットがあります。
✅借地人の借地権と一緒に土地と建物を一括して売却する
どうしても話がまとまらない場合には、地主と借地人が協力をし、お互いの権利を一括で売却してしまうという方法もあります。売却後のお互いの取り分を事前に決めておき、トラブルのないように注意します。
さいごに
底地は、借地権とは違い、借地人の承諾なしで自由に売却することができます。とはいえ、底地はその特殊性から買い手が見つかりにくく、土地の値段が安くなってしまいがちです。そのため、場合によっては、借地人に立ち退きをお願いし、通常の土地(きれいな所有権)にした上で取引を行うなどの対処が必要になることもあります。そのため、底地の売却をお考えなら、普段から借地人と良好な関係を築いておくことが重要です。

国本
桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。
三井のリハウス、大東建託(株)退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に
不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。
両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。
好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。
嫌いなものは、ゴキ。