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No.176 【今さら聞けない】セットバックとは


「セットバック」という言葉を不動産広告等で見かけたことがあるのではないでしょうか。セットバックは「建物を道路から後退させて建築すること」を表す言葉ですが、詳しくご存じない方が多いので、セットバックについて簡単に説明します。

セットバックとは

家を建てる際には、土地の接道義務というものが存在します。接道義務とは「4m以上(場所によっては6m以上)の幅を持つ道路に土地が2m以上接していなければ、家が建てられない」というものです。

 

しかし、接道義務ができるより前から建っている家のなかには、4m幅を確保していない道に接している場合があります。こうした家は強制的に道路幅を確保させられることはありませんが、新たに家を建て替える場合には、4mの道路幅を確保するようにして建築する必要があります。

 

セットバックは、こうした道路幅を確保するために建築部分を後退させることを指します。火災や事故が起きた際に緊急車両が侵入できないことによる被害の拡大を防ぐべく、法律で家を建てるときの条件を規定しているのです。

どこまでセットバックしなければならないか

法令上は「道路中心線から2m」と定められています。向かい側も2mのラインまで後退すれば、合計4mの道になります。しかし、道路の向かい側が崖地や川などの場合には、向かい側の分もこちらがセットバックしなければならないケース(一方後退という)もありますし、地域によっては確保するべき道路幅員を6mと定めている場所もありますから、これから土地を購入される場合や建替えをする場合には、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

 

また、「道路の中心線」というと道路の真ん中をイメージしますが、これは誤った認識です。道路のどの地点を中心線にするかは、あくまでも行政が決めることとなっていますから、自分で勝手に道路中心線を判断するのは大変危険です。

 

ちなみに、現状でセットバックしたと思われるお家がその並びにある場合は、その家の土地の形状からある程度どこまでセットバックしないといけないか予測を立てることが出来ますが、物件を購入される前には必ず行政へ事前に相談に行きましょう。

セットバックした分の敷地の取り扱い

セットバックした分の土地は、建築基準法上の「道路」として扱われます。そのため使用には制限がかかり、家を建てることはもちろん、花壇や門扉の設置もできません。

 

セットバック部分を道路として提供する代わりに、家を建てるための権利を得ると考えてください。

ちなみに、セットバックした部分は道路ですから、自治体に非課税申請を行えば、固定資産税は免除されます。

さいごに

セットバックした部分は建ぺい率や容積率の計算の基となる建築面積として算入できませんので、セットバックの範囲がわからないまま土地を買い、実際に建築確認を申請してみたら想像以上のセットバックを課せられて、思い描いていた建物を建てることが出来なかったというケースもありますので注意が必要です。

 

また、建築終了後にセットバック部分をブロック塀などで囲んで花壇にしているお家を見たことがありますが、これは建築基準法違反となりますのでご注意を。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託(株)退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。

両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。