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No.180 「表面利回り」と「実質利回り」の違いと注意点


投資物件の売買情報で「利回り〇%」という言葉を必ず目にします。 投資物件の購入の判断基準となる、この「利回り」については、「表面利回り」と「実質利回り」の違いを理解することが基本となります。一緒に見ていきましょう。

表面利回りとは

表面利回り(=グロス利回り)とは、物件の購入価格に対してどの程度の年間収益が得られるかを表す指標となります。不動産会社のチラシなどにもよく掲載されていますが、投資対象の候補となる物件を比較するときや購入の意思決定をするときの指標となります。

 

ただし、不動産の保有や維持管理などにかかるコストは計算に含まれません。その名の通り、表面的な数字に過ぎないのです。そのため、実際に投資したときの利回りは表面利回りよりある程度低くなることには注意が必要です。

 

<計算方法>

年間の家賃収入 ÷ 物件の購入価格×100 

 

たとえば、物件が5,000万円で年間の家賃収入が500万円だとすれば、表面利回りは10%となります。

【500万 ÷ 5,000万×100=10%】

実質利回りとは

実質利回り(=ネット利回り)とは、表面利回りに各種コストを加えた指標です。たとえば、固定資産税や都市計画税、登録免許税、不動産取得税、管理組合に支払う管理費・修繕積立金、管理会社に支払う管理費・修繕費、火災保険料や地震保険料などが考えられます。

 

以上のコストを利回りの計算に加えることにより、表面利回りより実態に近い利回りを求められるようになります。不動産投資にあたっては、この実質利回りを計算して、できる限り緻密で正確なシミュレーションをすることが必要です。

 

<計算方法>

(年間の家賃収入-諸経費)÷(物件の購入価格+購入時の諸経費)×100

 

たとえば、同じく、物件が5,000万円で年間の家賃収入が500万円だとしても、購入時の諸経費が120万円、毎年の諸経費が100万円であれば、実質利回りは7.8%となります。

【(500万-100万)÷(5,000万+120万)×100=7.8%】

利回りがすべてではない

実質利回りはあくまでも瞬間的な数値でしかありません。諸経費は年ごとに変わるものだからです。そのため、不動産業者が物件の広告を行う際には表面利回りを用います。

 

表面利回りをまず見てみて、その次に実質利回りを算出することが一般的な物件の目利きです。 実質利回りを計算した結果、具体的な手取りがいくらになるのかをチェックします。 表面利回り・実質利回り、それぞれ計算できるようにしておいてください。

 

ただ、利回りは物件を比較するときの第一段階の目安という程度に考えておいてください。これが利回りの基本的な捉え方です。

さいごに

表面利回りや実質利回りが高い物件を見つけて冷静さを欠いて購入に走る方もおられますが、どんなに利回りが高くて値段が安くても、入居者がいなければ、そもそも家賃収入が得られません。 また、無駄な経費を省くことで実質利回りを良くすることができますので、購入後には経費の削減、入居者が継続して入る工夫や仕組みも必要です。

 

利回りに踊らされてはいけないということは、不動産投資を考える上で基本中の基本です。 家賃相場や競合物件にも目を配っておかないと、経年による家賃の下落率が非常に大きいとか、一旦空室になるとなかなか埋まらないといった事態に陥っている物件も散見されます。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。

両手仲介を行わない不動産売却専門エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。