
マンションの管理は本来、管理組合が主体となって行いますが、管理業務には専門知識が必要なので、多くの場合は管理会社に委託します。3種類ある「管理形態」(どのような運営主体で管理業務を行うのか)と「管理方式」(管理員の勤務形態)を見てみましょう。
管理形態(どのような運営主体で管理業務を行うのか)
✅全部委託
修繕やメンテナンス、清掃業務など、管理業務に関するすべてを委託する形態です。管理に関する一切の業務を、プロである管理会社に任せることで、管理組合の負担が大きく軽減されます。快適かつ安心して生活が送れる反面、管理委託コストが膨らんでしまい、月々の管理費負担が重くなります。
✅部分委託
必要に応じて一部の管理業務のみを管理会社に委託する形態です。委託しない業務に関しては、管理組合自ら個々の業者と直接契約を行います。全部委託よりも費用が抑えられる反面、依頼する業者の選定や契約後の監督、調整が求められます。
✅自主管理
すべての管理業務を管理組合が行い、管理会社に委託をしない形態です。費用が最も抑えられる方法ではあるものの、業者の見極めや契約関連すべてを自分たちで行うため、専門知識や住民の積極的な管理業務への参加が必要になります。
管理方式(管理員の勤務形態)
✅常勤管理
管理員がマンション内で住み込み管理する方式です。緊急時には、深夜でも対応してもらえるため安心で、防犯面でも期待できます。しかし、管理員への賃金がかさんでしまうため、総戸数が少ないマンションでは、費用負担が大きくなってしまいます。
✅日勤管理
管理員がマンションへ通勤して勤務をする方式です。9時頃から17時頃までの勤務形態が一般的です。清掃や軽微な修繕業務は勤務時間内に十分に行えるため、費用面の負担の少なさが特徴です。しかし、管理員が休日の日や夜間には不在となるため、不安要素も発生してきます。
✅巡回管理
1人の管理員が複数のマンションを巡回する方式です。ゴミ出しの日などに合わせて、週2~3日程度、午前または午後だけ窓口を開ける形がよくみられます。管理費用こそ抑えられるものの、管理員不在の時間が長くなってしまいます。
さいごに
マンションの管理を管理会社に任せるメリットは、自分たちが何もしなくても、エントランスのガラスが毎朝ピカピカに磨かれ、ゴミ置き場がきちんと整理され、エレベーターの切れた電球がすぐに取り替えられ、セキュリティが維持されていることです。自主管理では、なかなかそうはいきません。
「マンションは管理を買え」と言われる所以です。

国本
桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。
三井のリハウス、大東建託(株)退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に
不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。
両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。
好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。
嫌いなものは、ゴキ。