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No.194 【意外と知らない】アリバイ会社


アリバイ会社をご存知でしょうか。アリバイ会社とは、収入、勤務先、雇用形態などを偽装してくれる会社です。現在、多くのアリバイ会社が存在しており、不動産業界においては、賃貸物件の契約時に職業や収入を偽装します。

アリバイ会社とは

ダミーで架空の会社を作り、実際にはそこに勤務実態がないにも関わらず、虚偽の給与明細や源泉徴収票、在籍証明書などを発行したり、在籍確認の電話に対応したりして、あたかもその会社に勤務しているかのように見せかけるというものです。

 

例えば、アリバイ会社を利用することで、現在無職であったとしても、「建設会社で正社員(年収500万円)で働いている」と偽装できます。

アリバイ会社を利用する理由

部屋を借りる際には、必ず入居審査に通る必要があります。いくら気に入った部屋が見つかっても、入居審査に通らなければ部屋は借りられません。

 

入居審査で主に見られるのは、職業・勤務先・雇用形態・収入です。無職の方や水商売、風俗関係の仕事に就いている方は審査に通りにくいため、アリバイ会社を利用します。

でもこれは「背信行為」

賃貸借契約は、貸主と借主の信頼関係の上に成り立つ契約です。また、契約関係は長期に渡り継続するため、借主が安定して家賃を支払ってくれるか、居住のルールを守って適切に使用してもらえるかは、貸主にとって重大な関心事です。

 

そのため、入居者の決定には慎重な判断が必要となるので、厳格な入居審査が行われるのです。職業や年収、勤続年数などは、家賃を安定して支払っていけるかどうかなどを判断するための直接的な材料となります。

 

このような、重大な判断材料となる勤務実態を偽る行為は、貸主に対する重大な背信行為となります。貸主と借主の間の信頼関係は完全に破壊されたことになり、賃貸借契約の解除事由となりえます。 

詐欺罪に問われる可能性も

民法では、詐欺による意思表示は取り消すことができると定められています。詐欺があったとしても、契約が当然に無効となるわけではありませんが、契約を取り消せば、その契約は始めからなかったことになります。

 

過去に、入居申込書に虚偽の記載をしたことが詐欺罪にあたるとして起訴された事件があります。この事件で裁判所は、就労実態や収入について虚偽の事実を告げ、安定した就労と相当額の収入があるように装って賃貸借契約を締結させたとして、詐欺罪を認めています。

さいごに

このようなアリバイ会社は、需要とともに日本全国にたくさん作られておりますが、部屋を貸す側も借りる側もリスクがありますので注意が必要です。また、賃貸物件の契約以外にも、金融関係の審査、保育園の入園審査など、様々な場面で利用されていますが、見抜くことは難しいでしょう。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託(株)退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。

両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。