
平成31年3月末現在での宅地建物取引業者数は124,451業者となっています。これはコンビニ店舗数55,772(令和2年4月)の2倍以上です。そして、対前年度比では669業者(0.5%)増加で、5年連続の増加となっています。
毎年増え続ける理由
✅開業(参入)に対するリスクが少ない
開業するのに大きな資金が必要な業界ではありません。1,000万円の供託金を納めなくても、協会に加入すれば百数十万で済みますし、商品の仕入れも必要ありません。また在庫という概念がないため、在庫を抱えるというリスクがありません。
また、開業に必要な宅地建物取引士資格もそれほど難しい資格ではありませんから、建築業・リフォーム業からの参入(兼業)は元々多かったのですが、最近では大家さん自らが宅建業の免許を取得したり、司法書士、行政書士の方が免許を取得したり、介護業界から参入してきたりというケースが増えてきているようです。
✅レインズシステムで情報入手が容易に
レインズとは、宅建業者間で売り物件情報を共有するネットワークシステムです。基本的に売却依頼を受けた物件には登録義務が発生します。物件情報が宅建業者共通のデータベースで管理されるようになり、インターネットを介してどこの宅建業者でも、物件を探し紹介することが出来るようになりました。
このシステムのおかげで、宅建業免許を取得し会社を立ち上げたばかりの状態でも、物件を紹介することが可能になります。つまり、実績も取扱物件もない宅建業者であっても、レインズに登録されている物件を紹介すれば、契約を上げることができるのです。
✅「儲かりそう」なイメージがある
バブル時代の名残でしょうか。一部の派手な社長さんの影響でしょうか。仲介手数料は確かに高額ですから、楽して儲けているイメージがあるのでしょうか。
実は年間5000業者以上が廃業
年間6,000社前後の宅建業者が新規開業していますが、その反面、5,000社以上が廃業しています。楽して儲かる業種でないことが、この数字でわかっていただけると思います。
独立しやすい業界とはいえ、そのほとんどは新設してから数年で廃業してしまいます。決して簡単な世界でないのです。
さいごに
星の数ほどある不動産会社から、ご自身にあった不動産会社を選択するのは簡単ではありません。おすすめするのは、まず面談してみることです。基準点は、お客様と真摯に向き合える担当者かどうかです。お客様と真摯に向き合い、お客様のために活動をしてくれると判断できるなら、任せてみてもよいのではないかと考えます。
一度や二度の面談で、人となりを判断するのは難しいとは思いますが、査定価格の根拠や販売戦略を聞いたりするだけでも、ある程度あなたとあなたの不動産に対する向き合い方を判断することができるはずです。

国本
桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。
三井のリハウス、大東建託(株)退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に
不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。
両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。
好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。
嫌いなものは、ゴキ。