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No.214 【今さら聞けない】「タワマン節税」とは


不動産のなかでも、タワーマンションの購入には大きな節税効果があるといわれており、少し前に「タワマン節税」が注目を集めました。タワーマンションの節税効果について、簡単に説明いたします。

タワマン節税の仕組み

マンションは土地と建物を分けて相続税価額を算定します。土地は、敷地全体を戸数で分けるため、総戸数が多くなるタワーマンションなどでは、各住戸の持ち分は極めて小さくなります。一方で建物は、評価に使う固定資産税評価額が路線価を基準にしているため、同じ専有面積だと仮定すれば低層階でも高層階でも評価額は同じになります。

 

市場価格は高層階ほど高額ですから、高層階住戸の評価額と市場価格の大きな差額に節税効果が認められることになります。つまり、タワーマンションを購入し、現金(預貯金)をタワーマンションに代えることで、相続税の負担を軽減することが可能となるのです。そして、高層階になればなるほど節税効果が大きくなります。

タワマン節税のリスク

✅税務署に否認される可能性がある

 

タワーマンションを購入する理由が節税目的であることが明らかである場合、税務署に否認されるケースがあります。例えば極端なケースですが、被相続人が亡くなる前日にタワーマンションを購入し、亡くなった翌日に売却した場合です。タワーマンションの売買は、相続税を免れるための行為であることが明らかです。このようなケースでは、「財産評価基本通達」によって評価額が購入価額などに修正されることは確実です。

 

 

✅不動産取引そのもので損をする可能性がある

 

例えば、節税を目的として、タワーマンションを1億円で購入したとしましょう。その後、購入した物件が8,000万円に値下がりするといったことは現実に起こり得ます。これでは、相続税の節税効果は値下がりによって相殺されてしまいます。

 

 

✅税制改正がおこなわれる可能性がある

 

2018年の税制改正で、タワーマンションの固定資産税が見直されました。それまで高層階であっても低層階であっても、専有面積が同じであれば固定資産税は同額だったのですが、税制改正によって1階上がるごとに固定資産税の負担が約0.256%増えることになりました。

 

このように、今後もタワーマンション節税の効果が薄れるような税制改正がおこなわれる可能性は高いと思われます。

 

※2017年までに完成して引渡しを受けているタワーマンションについては、建物の固定資産税評価額、相続税における評価は以前のままで変更はありません。また、2017年以前に完成しているタワーマンションであれば、2018年以降に中古で購入しても、やはり以前のまま変更ありません。

さいごに

ただ、タワーマンションにおける固定資産税の見直しがあったにせよ、これくらいの負担増なら、タワマン節税の効果は、今後もさほど変わらないだろうと思いますが、リスクも踏まえた検討が必要なのは言うまでもありません。

 

ただ、タワーマンションの資産価値を重視し、タワーマンションを購入したいと考えるファミリー層や個人投資家、タワーマンションを資産として保有しておきたい海外富裕層など需要者は多岐に渡るため、相続税対策でなくとも、立地条件に優れたタワーマンションのニーズは容易には減退しないと考えます。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託(株)退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。

両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。