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No.220 日米の不動産事情の違い


日本とアメリカでは、不動産売買に対する考え方やシステムが異なります。一概にどちらが優れているとは言えないのですが、アメリカの安心・安全・客観的な取引を行うことができる環境とあらゆる情報をオープンにする仕組みなどは、見習うべきところです。

日米の違い

✅アメリカでは「不動産会社でなく社員(エージェント)に依頼」

 

アメリカでは不動産会社(ブローカー)と、そのブローカーと契約する社員(エージェント)が明確に分かれていて、不動産の売買はエージェントに依頼します。エージェントは全員、州から許可を得た有資格者で、日本のように資格を持たない人が営業をするということはあり得ません。

 

 

✅アメリカでは「家は買い替えるもの」

 

アメリカでは家は一生に一度の買い物ではなく、就職、結婚、子育て、転勤、離婚、リタイヤなど人生の転機で必要に応じて買い替える考えが浸透しています。日本では、逆に一生住み続けるものとの考えが主流です。

 

 

✅アメリカでは「中古物件が主流」

 

アメリカは市場全体の約8割が中古物件です。日本はまったく逆で、新築物件が約8割となっています。日本人の新築好きは世界でも特別のようです。

 

 

✅アメリカでは「物件情報は一般にも公開」

 

アメリカの不動産情報は「MLS」というシステムで一般に広く公開されており、誰でもオンラインで入手が可能です。情報内容は各州の不動産協会が常にチェックしており、違法な内容はすぐに訂正を求められるため信頼ができます。一方日本では、不動産業者のみが閲覧できる「レインズ」がありますが、一部業者の"囲い込み"が横行するなど、必ずしも信用できるものとは言い切れません。

 

 

✅アメリカでは「買主の仲介手数料は無料」

 

アメリカではコミッションと呼ばれる不動産会社への仲介料は売主側が払います。日本では、売主・買主ともに支払い義務が生じるため、"囲い込み"などの悪しき習慣が根強く残ってしまっています。

 

 

✅アメリカでは「改装は当たり前」

 

日本の家は何十年かしたら建て直しますが、アメリカでは修理やアップグレードをしながら保有するのが一般的です。外壁塗装やフローリングの交換など比較的簡単な工事から、キッチンやバスルームの入れ替え、屋根の張替、配管や電気系統のアップデートなど、必要に応じてアップグレードを行います。

 

 

✅アメリカでは「築年数より住環境優先」

 

日本では築年数が重要条件とされる傾向がありますが、アメリカでは地域、特に学校区が優先される傾向にあります。また、静かな住宅街の立地を好む人が多く、商業施設や娯楽施設が近過ぎると敬遠されてしまいます。

さいごに

アメリカでは物件の情報量が豊富でその質も高く、物件の良し悪しよりも「安心・安全・客観的」な取引環境の醸成に重きを置いているといえます。

 

日本と比べて必ずしもアメリカの方が優れているとは言い切れませんが、見習うべき点が多々あると感じます。我々不動産会社・営業担当者は、物件情報を出すことが仕事ではなく、その図面からは読み取れない物件のリスクや資産価値、ファンナンスなど物件まわりのサービスの充実こそ、今後ますます重要になっていくと感じています。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託(株)退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。

両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。