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No.239 覚えておこう!登記名義人が不動産の所有者とは限りません


「不動産登記に公信力がない」という言葉を聞いたことがある方がいるかもしれません。これはどういう意味なのでしょうか。ここでは、不動産登記における「公信力」について簡単に説明いたします。

不動産登記とは

不動産登記とは、不動産の権利関係などを公に明らかにするために設けられた制度のことです。不動産登記を行うと、法務局が管理する公の帳簿に「どこにある、どのような不動産(土地・建物・マンション)が誰のものか」「どの金融機関から、いくらお金を借りているのか」といった情報が記録されます。こうした情報は一般に公開されていて、誰でも閲覧ができます。また、こういった登記内容が記載された書面を登記簿謄本(登記事項証明書)と言います。

不動産登記の公信力とは

不動産登記の公信力とは、登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でない場合でも、一定の要件のもとでその権利を取得することが認められることを言います。しかし日本では、この登記の公信力を認めていません。

 

例えば、登記名義人であるAがBに土地を売ったとします。Bは登記簿上の名義人であるAを真実の所有者と思って土地を買い受けたとしても、真の所有者が他にいた場合には、その真の所有者から不動産を取り上げることはできない、ということになります。登記所は不動産登記の内容を保証していないのです。

公信力はないが対抗力はある

対抗力とは、登記を行うことで所有権や抵当権などの権利を第三者に主張できることを言います。

 

例えば、AがBとCの二人それぞれに土地を売ったとします。そして、Bが所有権移転登記を先に行った場合、Bは「この土地は私の土地です!」と主張することができます。これが「対抗力がある」ということです。他方Cはお金を払って買ったのに、先に登記されたので自分の土地だと主張できません。

さいごに

不動産登記は義務ではないため、すでに亡くなっている人が登記簿上の所有者だった、なんてことはザラにあります。目の前にいる取引相手が本当に所有者なのか確認することが大切です。とはいえ、一般の方がきちんと確認するのはなかなか難しいです。不動産取引の場合には、不動産会社が確認してくれますが、登記に公信力がない以上、登記内容をそのまま信用してはいけないと覚えておいてください。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託株式会社退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。初年度売却相談件数108件。

両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。