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No.265 競売物件はなぜ安いのか


近年の法整備で、不動産業者だけでなく、一般の方も入札しやすくなった不動産競売ですが、競売の一番の魅力は「安く買える」ことです。なぜ競売物件は安く手に入れることができるのか、その理由について簡単に説明いたします。

競売物件とは

不動産の所有者が債務(住宅ローンなど)を弁済できなくなった場合、債権者(金融機関)は抵当権の行使や強制執行によって該当する不動産を競売するように裁判所に申し立て、裁判所がその不動産を差し押さえて強制的に売却し、その売却代金を債務の弁済に充てるのが競売物件です。

競売物件の価格の仕組み

競売物件の募集にあたっては、「売却基準価額」と「買受可能価額」という価格があります。

 

「売却基準価額」は裁判所から依頼された不動産鑑定士によって評価されます。この評価の時点で、競売特有の減価(競売市場修正)がされており、一般市場で売却される場合と比べて廉価な価格が設定されています。

 

さらに、最低入札価格である「買受可能価額」は、売却基準価額の8割とされていますので、一般物件よりもさらに安い価格となっています。

 

簡単に言うと、「売却基準価額」は裁判所が定めた相場価格、「買受可能価額」は入札できる最低価格、となります。 

競売物件が安く落札できる理由

✅物件内部を見ることができない

 

競売物件は建物内部を見ることはできません。裁判所が用意する「3点セット」と呼ばれる資料に写真が付いてますので、内部の様子はその写真で確認することになります。ただ、外部は確認可能です。3点セットと現地の外観から得られる情報や周辺の聞き取り調査などから、入札に参加するかしないかの判断をしていきます。

 

不動産を買うのに物件の中も見ずに判断しないといけませんので、その分安くなります。

 

 

✅入札参加までの検討時間が短い

 

競売物件に入札参加できる期間はおよそ1か月です。一般的な不動産であれば、好きなだけゆっくり検討する時間がありますが、競売では問答無用で1か月で入札期間が終了します。

 

入札に参加するかしないかの判断を1か月でしないといけない分、安くなります。

 

 

✅落札した物件のリスクは落札者が負担しないといけない

 

落札した競売物件に発覚する問題については、すべて落札者の自己責任となります。裁判所も責任は一切持ちません。(3点セットに問題があったケースなどは稀に落札を取り消すことができます。)占有者がいても自分で立ち退きさせなければいけません。

 

落札した物件のリスクは落札者が負担しないといけない分、安くなります。

さいごに

上述の通り、競売は落札者にとってリスクが大きい分、一般物件よりも安く不動産を手に入れることができるようになっています。

 

とは言え、安易に競売物件に手を出すのは危険です。近年の競売市場では、昔ほど物件を安く手に入らなくなっていますし、落札後のリスクを考えると必ずしも"お得感"があるとは限りません。入札を希望される方は必ず専門家に相談して、プロのアドバイスを仰いでください。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託株式会社退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。初年度売却相談件数108件。

両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。