No.269 不動産価格にも影響する「嫌悪施設」とは


不動産の売却をする際、「嫌悪施設」が近くに存在するかを把握しなければなりません。購入をためらったり、売却価格が下がったりすることもあるからです。嫌悪施設に関する知識を身につけ、のちのちトラブルがないように不動産売却を進めましょう。

嫌悪施設とは

「嫌悪施設」は、実は明確に定義されていません。一般的には概ね以下の4分類で説明するものの、嫌悪を感じるかどうかは個々人により判断が異なります。

 

✅騒音や振動が発生するもの

高速道路などの主要道路、飛行場、鉄道など

 

✅煤煙や臭気が発生するもの

工場、下水道処理場、ごみ焼却場、火葬場など

 

✅危険を感じさせるもの

ガソリンスタンド、高圧線鉄塔、暴力団組事務所など

 

✅心理的に忌避されるもの

墓地、刑務所、風俗店、葬儀場など

大事なのは正直に話すこと

嫌悪施設が不動産の近くにある場合、その旨を買主に説明しなければならない義務が売主に生じます(重要事項説明義務)。売れなくなったり、売却価格が下がるのを避けるために、嫌悪施設のことを伝えずにいると、法令違反となりかねません。

 

故意に嫌悪施設の存在を伝えなかった場合だけでなく、売主と買主の認識の違いがトラブルに発展するケースもあります。売主が特に嫌悪施設と認識していないケースでも、買主にとっては嫌悪施設となりうることがあるからです。

 

このような個人的な感じ方の違いによるトラブルを避けるためにも、嫌悪施設の有無や重要事項説明書への記載内容については、不動産業者としっかり話し合いましょう。

嫌悪施設が近くにある物件を売却する場合のポイント

✅買主にきちんと説明する

 

不動産の売買契約を結ぶ前には、必ず重要事項説明を行います。重要事項説明では嫌悪施設の存在を説明し、書面にもきちんと記載します。嫌悪施設の説明を受けた結果、購入を躊躇する買主もいるかもしれませんが、これは法的に定められた義務です。きちんと説明しましょう。

 

✅事業用地として売る

 

嫌悪施設の近くに暮らすのは抵抗感があるけれど、オフィスとして使うのは構わないという人もいます。

住宅として利用する場合、煤煙が出続ける工場のそばなどは敬遠されます。しかし、オフィスでは空調設備を整え、窓を閉め切っても快適に仕事ができるなら気にしない、という人も多いのです。

 

また、娯楽や買い物のために訪れるだけの商業施設なら、近くに嫌悪施設があっても気にならないという人は多いです。そのため、商業施設用の土地・物件として売り出す方法もあります。

 

✅投資家に買ってもらう

 

賃貸マンションなど、入居者が「家賃が安いことが一番」と考える施設は、近隣に嫌悪施設があっても経営が成り立つ可能性があります。コインパーキングや駐車場などに使用してもらう方法もあります。

さいごに

一般には、近隣に嫌悪施設がある物件は売却価格が下がる可能性があります。ただ、嫌悪施設にあたるのかどうかは地域性によっても、また人によっても判断が異なることがあり、実際には個別案件ごとに考えていく必要があります。多くの場合、「多くの人が嫌悪施設と認識しているかどうか」がその判断の分かれ目になります。

 

近隣に嫌悪施設がある物件を売るときは、のちのちトラブルがないように不動産売却を進めることが、最も大事であることを強く認識しましょう。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託株式会社退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。初年度売却相談件数108件。

両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。