
ベランダから子供が転落し、命を落とす事故が後を絶ちません。聞くところによると、幼少期から高い場所で生活してるせいで、高所に恐怖心を抱かない「高所平気症」の子供が増えているんだとか。「高所恐怖症」の私には理解できませんが・・・。
相次ぐ転落事故・・・
テレビの報道などを聞いていると、ベランダからの転落事故の多くは子供だけが室内に残っているときに発生していると考えられます。子供は、親がいなくなった不安に耐えられず、何とかして親を探そうとしてベランダからのぞきたくなってしまう、というケースが多いのではないでしょうか。
構造的な問題も
昭和時代に建設されたマンションには、ベランダの柵に唐草模様など凝った装飾が施されているものが多く存在します。こういうデザインの柵では、子供が足をかける場所がたくさんあります。一方、外が全く見えないような素材で目隠しをしてしまうと、かえって「外を見たい」という子供の好奇心を刺激し、ベランダの柵を登りたがるらしいので注意が必要です。
ベランダの設計基準を見直した事例も
子供の転落事故が相次いでいることを受けて、自社の物件の設計基準を見直したという事例があります。分譲マンションを手がける大京(東京都渋谷区)ですが、平成24年に「バルコニーの足掛りに対する安全対策」をまとめ、(1)エアコンの室外機と柵の間を60センチ以上開けること(2)室外機を置く場所を高さ90センチ以上の柵で囲うこと、などを定め、これ以降に設計した同社のマンションには、いずれかの整備を義務づけています。
さいごに
子どもは大人が予想もしない行動を取ることが多いものです。いくら注意してもしすぎることはないと心得ましょう。ベランダに足場となりそうな物を置く時はバルコニーの柵や窓際から60cm以上離すこと、バルコニーの柵も子どもが落ちない高さまで延ばすことなど、万全の対策を取ることです。
二度とこのような事故が起きないことを祈るばかりです。

国本
桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。
三井のリハウス、大東建託株式会社退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に
不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。初年度売却相談件数108件。
両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。
好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。
嫌いなものは、ゴキ。