No.273 マイホームの売却にかかる税金の特例をまとめてみた


不動産を売却する際、一定の場合には税金が発生します。但し、不動産の中でも「マイホーム」の売却に関しては、さまざまな特例措置が設けられています。ここでは、マイホームを売却する前に知っておくべき「税金の特例」について簡単にまとめてみました。

譲渡益が出た場合の特例①

3,000万円の特別控除

 

個人が、居住用財産を譲渡(売却)した場合には、その譲渡所得(売却益)の金額から、最高3,000万円まで控除できます。

 

●売却益が3,000万円以内の場合

税金はかかりません。

 

●売却益が3,000万円超の場合

3,000万円超の部分が税金の対象になります。

 

この特例は、所有期間の長短に関係なく適用できます。

前年・前々年にこの特例及び後述③①’②’の適用を受けていないことが条件です。

特別控除を受けるには、条件があります。

 

※国税庁「マイホームを売った時の特例」 

譲渡益が出た場合の特例②

分離課税の特例(所有期間10年超)

 

譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えているマイホームを土地・建物ともに売却する場合は、分離課税の特例があり、以下の軽減税率が適用されます。

 

●譲渡益6,000万円以下の部分

軽減税率14% (所得税10%、住民税4%)

 

●譲渡益6,000万円超の部分

軽減税率20% (所得税15%、住民税5%)

 

この特例は上記①の3,000万円特別控除と合わせて利用できます。

前年・前々年にこの特例を受けていないことが条件です。

 

※国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」 

譲渡益が出た場合の特例③

特定居住用財産の買い換えの特例

 

マイホームを売却して買い換えたときに、一定の要件を満たすものに限り、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる特例です。

 

特例の適用を受けた場合、売却した年分で譲渡益への課税は行われず、買い換えたマイホームを将来譲渡したときまで譲渡益に対する課税が繰り延べられます。

以下の適用要件があります。

 

●譲渡した年の1月1日時点で土地・家屋ともに所有期間が10年を超えていること

●居住期間が通算10年以上であること

●前年・前々年に①②の適用を受けていないこと 

 

※国税庁「特定のマイホームを買い換えたときの特例

譲渡損が出た場合の特例①’

居住用財産の買い換え等の場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例

 

マイホームを売却して新たに購入した場合に譲渡損失が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。

 

損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰越控除することができます。

以下の適用要件があります。また、買い換えるマイホームにも条件があります。

 

●譲渡する年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えていること

●居住期間には制限はありません

●前年・前々年にこの特例及び①②③①’②’全ての特例の適用を受けていないこと

 

※国税庁「マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

譲渡損が出た場合の特例②’

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例

 

住宅ローンのあるマイホームを、住宅ローンの残高を下回る価額で売却して譲渡損失が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。

 

さらに損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。

この特例は、マイホームの買い換えをしない場合であっても適用することができます。

 

控除額は、譲渡損または住宅ローン残高と譲渡価格の差額、のいずれか少ない額となります。

適用要件は①’と同様です。

 

※国税庁「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

さいごに

マイホームの売却によって「譲渡損失」(=赤字)が生じた場合は、その分をその年の「給与所得」や「事業所得」など、他の所得から差し引くことができることを「損益通算」といいます。

 

さらに、損失があまりにも大きくて所得から控除してもなお損失が残る場合は、「譲渡の年の翌年以後3年内」であれば、この赤字分を繰り越すことができることを「繰越控除」といいます。

 

譲渡損失(赤字)が出ている人にとっては非常に有り難い制度ですが、これを利用するためには一定の要件を満たす必要がありますので、予め確認しておきましょう。

 

 

この記事を書いた人

国本

桜木不動産事務所代表。宅地建物取引士。

三井のリハウス、大東建託株式会社退職後、2019年2月大阪府寝屋川市に

不動産売却専門の「桜木不動産事務所」を設立。初年度売却相談件数108件。

両手仲介を行わない不動産売却エージェントとして日々奔走しています。

好きなものは、阪神、浜省、森高、水無月、早く走る車。

嫌いなものは、ゴキ。