不動産を相続したらすること


不動産を相続した時、何から始めればよいのだろうと不安に思われている方も多いと思います。

ここでは、不動産を相続した時にやらなければいけないこと知っておきたいことをご紹介します。参考になりましたら幸いです。

遺産分割協議

 

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を決める話し合いのことですが、その話し合いで決まった内容を書面におこしたものが、遺産分割協議書と呼ばれるものになります。

 

不動産を誰が相続するか決まるまでは、相続人全員の共有の状態になっています。(この状態を「遺産共有」と言います。)

共有の状態のままにすることも不可能ではありません。

しかし、共有のままだと、不動産を処分するときにも全員の同意がなければできません。

 

また、共有者の誰かが亡くなれば再び相続が生じて、不動産にかかわる人がどんどん増えていってしまいます。

このような不都合を避けるために、不動産は特定の相続人が引き継いだ方が良いでしょう。

名義変更(相続登記)

 

不動産を相続した時に、すべての方に共通する相続手続きが、名義変更(相続登記)です。

亡くなった方(被相続人)の名義になっている不動産を、その不動産を相続した人(相続人)の名義に変更する手続きのことです。

相続登記の費用

 

相続登記にかかる主な費用は、登録免許税と言われる税金です。

これは、相続登記をする不動産の価値により変動し、固定資産税評価額の0.4%と決まっています。

 

  • 登録免許税 ⇒ 相続登記する物件の固定資産税評価額の0.4%
  • 提出書類(戸籍・住民票・証明書等)の取得費用実費 ⇒ 数千円程度
  • 司法書士報酬 ⇒ 十万円程度

相続登記の期限

 

実は相続登記は義務ではなく、いつまでにやらなくてはいけないという期限はありません。

義務ではないので、相続登記をせず放置をしておいても、特にペナルティはありません。

 

ただ、相続登記を行わないと下記のデメリット・リスクがあります。

特段の事情がない限り、相続登記は遺産分割協議がまとまればできるだけ早めに済まされることをおすすめします。

相続登記をしないときのリスク

不動産を売却したり、担保にして借金をすることができない

亡くなった人名義のままの状態では、その不動産を売却することができません。

また、その不動産を担保にして借金をすることもできません。

相続登記をしなければ、第三者に対して、その不動産が「自分のもの」と主張することができないからです。

他の相続人に勝手に不動産を売却される恐れがある

不動産の所有者が亡くなった場合、遺産分割協議がまとまるまでは、その不動産は一時的に相続人全員の共有状態となります。

この共有の状態でも、一人の相続人が不動産の持ち分を第三者に売却することはできます。

この場合でも、即座に本来の所有者の所有権がなくなるというわけではありませんが、本来の所有者に名義を戻す手続きはかなり面倒な手続きになります。

あとから相続登記をすることが困難になることがある

相続人の間で話がまとまっていて、あとは相続登記をするだけ、という状態になっていたとしても、相続登記をしない間にその相続人のうちの一人が亡くなってしまった場合には、その亡くなった相続人のさらにその相続人の協力が必要になってきます。

相続登記をせずに放置をしていると、協力を得なければいけない人数がどんどん増えていき、最終的には相続登記をすること自体がほぼ不可能になってしまうということもあり得ます。

相続税

不動産を相続した場合には、相続税といわれる税金がかかる場合があります。

但し、不動産を相続したすべての方にかかるわけではなく、相続税がかかるのは統計上、全体の約5%程度の人と言われています。

それは相続税には「基礎控除」といって、この金額以上は相続税がかかりません、というボーダーラインがあるためです。

 

また、相続税の申告・納税は相続開始(被相続人が死亡した日)から10ヶ月以内に現金で納めなければならないことになっています。

そのため、相続税を支払うために不動産を売却する場合は相続手続きと合わせ、速やかに売却活動の準備を始める必要があります。

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相続税の「基礎控除額」

 

相続税は、「被相続人の相続財産のすべての合計額」が「基礎控除額」を超える場合にかかってきます。

ですので、あなたが相続した不動産の価値だけではなく、他に相続した金融資産や、他の相続人が相続したものをすべて含めなければ、相続税がかかるかかからないかの判断はできないことになります。 

<基礎控除額早見表>

例えば、相続人が3人であれば、基礎控除額は、3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円ということになります。

つまり、相続財産の総額が4,800万円以下であれば相続税がかからず、それ以上であれば相続税がかかることになります。

相続税の計算方法

 

相続税を求めるためには、まず相続した不動産以外の相続財産も含め、相続財産の総額を知る必要があります。

ここで問題になってくるのが、不動産の評価です。

預貯金の場合は、その額面が相続税評価額となり問題ないのですが、不動産の場合はそう簡単ではありません。

 

路線価に土地面積を乗じ、さらに各種の補正率を加味することで土地の相続税評価を求めることになるのですが、この計算はとても複雑でご自身でされるのは難しいと思います。

 

そこでおすすめする方法が、固定資産税評価額を1.14倍して土地の相続税評価額を推計する方法です。

概算であればこの方法である程度目途を付けることが可能です。

 

そうやって、土地の相続税評価を求めて、他の財産も全て合計したものを、相続計算シミューレーション(不動産に関する税金などを瞬時に計算・シミュレーション|リアルタイムシミュレーター)に入力することで簡単に相続税の概算を求めることができます。 

相続税対策

 

同じ価値の相続財産でも、相続する資産の内容により相続税の金額は異なります。

具体的には、現金で相続するよりも不動産で相続する方が相続税が大幅に節税できることになります。

 

例えば、1億円の現金が相続財産としてあった場合、相続税評価はそのまま1億円となり、仮に相続税の税率が50%の場合は、5,000万円の相続税がかかります。

 

しかし、1億円の現金で1億円の不動産を購入した場合、物件の種類にもよりますが、土地で20~30%減額、建物であれば築年数によって30~70%程度にまで評価額を抑えることができます。

また、賃貸不動産であれば、さらなる評価額の圧縮も可能になります。

その他の税金

固定資産税

 

相続時ではありませんが、固定資産税は毎年、1月1日時点の所有者に対して課税されることとなります。

相続によって取得した翌年からこの固定資産税を支払う義務が生じます。

不動産取得税

 

不動産取得税は、不動産を取得した場合にかかる税金です。

税率は固定資産税評価額の3%です。

 

但し、相続により取得した場合には、この不動産取得税は原則かかりませんが、遺言によって相続人以外が不動産を取得した場合にかかってきますので注意が必要です。

所得税

 

相続した不動産を売却した場合には、譲渡所得に該当し所得税が課税されることになります。

その土地を所有していた期間により税率は異なりますが、5年以上所有していた不動産であれば所得税15%と住民税5%の合計20%の税金を支払う必要があります。

 

この譲渡所得については確定申告を行う必要がありますので、忘れないように注意しましょう。

また、相続した不動産を売却した場合には様々な特例の適用を受けることができる可能性があります。

そして、相続した不動産が賃貸物件だった場合には、毎年不動産所得が発生しますので、確定申告を行う必要があります。

不動産相続の注意点

不動産を相続する際に気をつけておくべきことにはどのようなものがあるのでしょうか。

土地、戸建て、マンションを相続する際の3パターンについてそれぞれ見ていきましょう。

土地のみを相続

土地を分割して相続する場合は注意が必要です。

相続時には平等に分割したつもりでも、土地の価格は常に一定ではなく変動するため、値上がりした場合に不満を感じる相続人が現れる可能性があります。

分割協議の際には、将来の価格変動についても触れながら話し合いをすすめましょう。

戸建てを相続

戸建てを相続したものの、自身で別の住宅を所有している場合には、誰にも使われず空き家になってしまう可能性があります。

その場合、「特定空き家」に指定されてしまうことがあるため注意が必要です。

 

特定空き家に指定されてしまうと小規模住宅用地特例の対象外となってしまい、固定資産税が4倍ほど高くなってしまいます。

固定資産税は毎年支払わなければならないものですから、空き家のままにする場合は売却などの処分を検討すると良いでしょう。

「特定空き家ガイドライン」(国交省HP)

マンションを相続

マンションを相続し、且つ、住む予定がない場合は賃貸に出して家賃収入を得ることが可能になりますが、築年数が古い場合は、入居者を獲得することが難しくなってしまうため注意が必要です。

 

リフォームをした上で賃貸に出すか、賃貸経営をする予定がなければ売却するのも良いでしょう。

不動産会社に相談しながら、相続したマンションの活用方法を検討することをおすすします。

相続した不動産は放置しておくと損

すでに述べたように、相続の発生によって不動産を譲り受ける場合、税金がかかります。

さらに自分たちが居住している不動産でなければ、日々の管理も難しいでしょう。

 

しかし、管理が難しいからと言って放置しておくことは得策ではありません。

なぜならその間も固定資産税を払い続けなければなりませんし、誰も住まなくなった部屋は傷みが進んでしまうためです。

 

そこで考えられるおすすめの対応策が、相続した不動産を売却する、ということです。

思い入れのある不動産とはいえ永遠に維持していく事は難しいとなると、価値のある時に売却してしまうことも1つの選択肢なのではないでしょうか。

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まとめ

相続した不動産を売却するには、遺産分割協議や相続登記など段取りが多くなります。

相続人が集まれる機会も限られるため、なるべく早いうちに各種手続きを行うと良いでしょう。

 

桜木不動産事務所では、相続した不動産の売却・買取・管理・有効活用のご提案を専門としております。

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

Q&A

亡くなった親名義のままで家に住み続けることは可能ですか?


可能です。しかし、可能であれば速やかに手続きを行った方がその後のデメリットやリスクが少なくなります。


亡くなってから10年以上名義変更を行っていません。問題はありますか?


問題はありません。相続登記は期限がなく必須でもありません。ただし、デメリットが多いことから早めに行った方が良いでしょう。


相続人が3人います。一つの不動産を3人の共有名義で相続登記することは可能ですか?


可能です。遺産分割協議で3人が納得して遺産分割協議書に署名捺印をしているのであれば、共有名義で登記することは可能です。


相続した不動産を売却しました。税務署から税金の支払い通知書が送付されてくるのでしょうか?


送付されてきません。不動産を売却した場合にはその売却を行った年に自ら税務署に行って確定申告を行い、納税する必要があります。忘れないように注意しましょう。